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自由党の選挙勝利は移民の継続を告げる

編集: 9月 27, 2021 | タグ: カナダ移民局, COVID-19

2021年カナダ総選挙が9月20日に実施され、2019年の選挙結果からはわずかな変化しか見られなかった。今回の選挙では移民問題が多くの政党の中心的な争点となったが、この結果はカナダの移民政策に継続性をもたらすものとなりそうだ。 選挙背景 2019年の総選挙以来、自由党は少数政党として政権を担ってきた。議会では最大政党であったが、議席の過半数を欠き、他の政党の支持を得なければ政策を実行できなかった。ジャスティン・トルドー首相は新たな選挙で、2015年の選挙後に自由党が保持していた過半数を回復することを明確に望んでいた。多数派になれば、党派を超えた支持を求めなくても政権運営がしやすくなる。 選挙結果 しかし、自由党の期待とは裏腹に、2021年の総選挙では2019年とあまり変わらない政治状況が明らかになった。自由党の獲得議席は4議席にとどまり、過半数に11議席届かなかった。前回同様、少数派として政権を運営し、自分たちの政策を議会で通すために他党の支持を集めることを期待することになる。 移民問題と選挙 カナダの政治情勢が2019年とあまり変わらないように見えるとすれば、2021年の選挙後の移民政策もほとんど変わらない可能性が高い。トルドーは秋に新内閣を発表すると見られているが、マルコ・メンディチーノ移民相が留任しても不思議ではない。 メンディチーノにしろ後任にしろ、新たな移民政策の委任状は、自由党の既存の移民政策目標を順守する可能性が高い。これには移民目標数の着実な増加が含まれる。自由党の移民政策は、コヴィッド19のパンデミック後のカナダ経済の回復を支えるために、また一般的に国の経済発展に役立つために、移民レベルの増加が不可欠であると考えている。 新たな移民政策は、この包括的な原則に対する微調整になる可能性が高い。例えば、アフガニスタンにおける人道的危機の規模を考慮し、トルドー首相はカナダが受け入れるアフガニスタン難民の数を倍増させると公約している。その他の目標としては、長らく裕福でない申請者にとって市民権取得への不当な障壁とみなされてきた市民権取得手数料の廃止や、申請処理時間の短縮などがある。 その他にも、留学生や一時的な外国人労働者が永住権を申請しやすくする、一時的な労働許可証の申請手続きを簡素化する、フランス語圏からの移民をもっと奨励する、といった制度の調整も考えられる。これらのイニシアチブはすべて、党の移民計画のより広い範囲にすんなり収まる、小さな変更であろう。移民政策は、自由党が歴史的に他党からの支持を比較的得やすい分野であるため、議会で反対される可能性は低い。 進行中の移民動向 2022年初頭に予定されている移民指令書と新移民レベル計画を待つ間、カナダ移民の現在の傾向は続いている。永住権申請者はすでにカナダに滞在している可能性が高いため、コヴィッド19の渡航制限は手続きの妨げにならない。 さらに、予測されていた渡航規制の緩和も行われているようだ。いくつかの制限はまだ残っているが、8月には完全にワクチン接種を受けたアメリカ人に国境を開放し、9月初旬には他の多くの国からの旅行者にも同じ自由が拡大された。これらの観光客は、依然としてコロナウイルスの安全規制を守らなければならないが、指示がない限り隔離する必要はない。 漸進的な変化 2021年の選挙がメディアで注目されたにもかかわらず、この結果は、その後の数年間における移民政策の変化は漸進的なものになることを示唆している。移民数の漸進的な増加と候補者選択の地域化の努力は、長年にわたって自由党の移民政策の中心であり、今回の選挙結果は、将来も同じであることを示唆しているようだ。ここ数年の移民政策と今後数年の移民政策の主な違いは、コビド制限の終了によって、政府がずっと求めてきた移民の拡大を自由に追求できるようになったということだけかもしれない。